2025年10月20日

3つの英語の世界 ― 日常会話・ビジネス英語・国際資格

多くの人が「CMA」「FMAA」「CSCA」などの国際資格は、英語が非常に難しいと感じています。
しかし、これはよくある誤解です。

実は、最も範囲が広く、そして難しいのは「日常会話」なのです。
なぜなら、テーマが無限だから。
スポーツ、恋愛、天気、政治、健康、育児、宗教、文化、歴史——話題が尽きません。
これを自在に操れるのは、英語を「生きる環境」として20年以上かけて身につけてきたネイティブスピーカーだからこそです。

一方、私たちが学ぶ英語は「大人の第二言語」としての後追いです。
0歳から20歳までかけて文化ごと吸収してきた英語圏の欧米人と同じ土俵に立つ必要は、そもそもありません。
日常会話の英語は「終わりのない旅」ですが、国際資格の英語は「目的地が決まっている航路」なのです。


「ビジネス英語」は「範囲の限定」がカギ

次に「ビジネス英語」。
こちらも誤解されがちで、「日常会話より上級」と思われていますが、実際にはそうとも限りません。

ビジネス英語とは、特定の場面における特定の表現の集まりです。
会議での進行、メールでの依頼、報告、交渉など、出てくるフレーズや単語は限定的です。
つまり、ビジネスシーンが変われば使う英語も変わる。「範囲の限定」があるのです。


国際資格の英語は「狭く、深く」

そして、「CMA」「FMAA」「CSCA」などの国際資格。
これらに必要な英語は、管理会計や経営分析といった専門分野に絞られた“限定された英語”です。

英語圏の人が有利かといえば、必ずしもそうではありません。留学経験者もしかりです。
専門知識を伴わなければ理解できない内容も多く、日本人でも高得点者や世界一の成績優秀者が出ています。
「英語力より、理解力」。
この領域では、語学よりもロジカルシンキングと会計知識が問われるのです。


「グローバルイングリッシュ」という歩み寄り

さらに今、世界では「グローバルイングリッシュ」という概念が浸透しています。
これは「ネイティブらしい完璧な英語」ではなく、伝えることを目的とした、第二言語としての共通英語

難しい単語を避け、比喩やジョークを使わず、明確に、簡潔に、聞き取りやすく話す。
まさに、CMAやFMAAの試験で使われる英語もこのスタイルに近いのです。
「母国語ではない人が、母国語ではない人と意思疎通を図る」ための英語。
それが、私たち日本人が身につけるべき本来の“グローバル英語”なのです。


英語力よりも「目的意識」

国際資格を名乗ると、「英語できるんですね」と言われることがあります。
けれども、実際には“英語が得意だから”ではなく、目的のために必要な英語を学び取った結果です。
つまり、歩み寄りの姿勢が重要なのです。

一方で、時々見かけるのが「英語ができてすごいでしょ」とマウントを取るタイプ。
しかし、それは極めて不毛です。
日本人相手に英語をひけらかしても意味はなく、むしろ鼻につくだけ。
英語圏の人に対しては、そもそも彼らの母国語ですから「話せて当然」。
そして、英語が公用語でない国々でも、ネイティブスピーカーは一定数いるため、“ネイティブもどき”の英語を披露したところで評価されません。
むしろ、伝えることよりも「英語を話したい」だけの自己満足になっており、聞く側にとっては迷惑にさえ感じられることもあります。そうした意味では、全く歩み寄りの無い強情なネイティブスピーカーも同様に迷惑なのです。

本当に必要なのは「上手に話す」ことではなく、「何をどう伝えるか」。
グローバルイングリッシュはあくまで手段であり、目的意識のない英語力は、ただのノイズになってしまうのです。


まとめ:範囲を広げるより、範囲を理解する

カテゴリー範囲難易度の方向性学習の性質
日常会話広い(テーマ無限)広く浅く終わりがない
ビジネス英語中程度(業種依存)限定的パターン化しやすい
国際資格英語狭い(専門分野)深く集中ゴールが明確

「英語ができる」とは、“全てを話せる”ことではなく、“必要な範囲で正確に理解し、伝えられる”こと。
CMA・FMAA・CSCAは、まさにその代表格といえます。


BirdStarからのメッセージ

第二言語として学ぶ英語はゴールのないマラソンではなく、
あなたの目標までをつなぐ橋であるべきです。

CMAやFMAAなどの国際資格を通じて、あなた自身の「英語の使い方」を再定義してみませんか。

BirdStar